広告主向けに、アフィリエイト広告のデメリットやリスクをまとめました。アフィリエイト広告の導入を検討している方にとって参考になるはずです。
成果報酬以外の費用も発生する
アフィリエイト広告は「成果報酬型広告」と呼ばれるため、サービス・商品が購入されたときだけ報酬が発生するものと思われがちです。
しかし、実際には成果報酬以外にもさまざまな費用が発生します。
アフィリエイト広告を出すときに発生する費用を以下にまとめました。
| 発生する費用 | 相場 | 説明 |
|---|---|---|
| 初期費用 | 0~50,000円 | ASPを利用開始するときに支払う費用。 無料のASPもある。 |
| 月額費用 | 0~50,000円 | ASPを利用している間、毎月支払う費用。 半年や1年分を一括で前払いすることが多い。 無料のASPもある。 |
| 成果報酬 | 自由に設定できる | 成果が発生したら支払う費用。 「1件あたり◯円」「売上の◯%」など自由に設定できる。 |
| 成果手数料 | 成果報酬の30%ほど | 成果が発生したらASPに支払う費用。 |
「成果が発生したときだけ」だけではなく、ASPによっては初期費用や月額費用がかかります。また、アフィリエイターへの成果報酬に加えて、ASPへの成果手数料もかかります。
そのため、発生する費用を見落とすと、普通に赤字になります。
月額費用に注意
多くのASPでは月額費用が固定費としてかかります。一般的には40,000円~50,000円くらいです。
つまり、40,000円~50,000円以上の利益が発生していないと、アフィリエイト広告は赤字となってしまいます。
また、契約期間の縛りもあるので「数か月様子を見て赤字が続くなら撤退」とできない点も要注意です。例えばA8.netの場合は、トライアルプランを選んでも6カ月契約となります。

資金力がある企業ならある程度長い期間様子を見ても良いですが、広告費を抑えたい企業はアフィリエイト広告を出稿してどのくらいで成果が出るのか、シビアに見積もる必要があります。
ちなみに、月額費用や初期費用が0円のASPもあります。
アフィリエイト広告を出すのが初めてなら、まずはリスクなしで利用できるASPを選ぶと良いでしょう。
| ASP | 初期費用 | 月額費用 | 最低契約期間 |
|---|---|---|---|
| もしもアフィリエイト | 無料 | 無料 | なし |
| レントラックス | 無料 | 無料 | 1年間 |
| フェルマ | 50,000円(税抜) | 40,000円(税抜) | 6か月間 |
| リンケージ | 無料(別途保証金あり) | 無料 | なし |
| イークリック | 無料 | 無料 | 情報なし |
※フェルマは導入時の相談次第で、初期費用が無料になることもあります。
広告を出すまでの工数が多い
アフィリエイト広告を出稿する場合、実際にアフィリエイターに広告を出稿してもらうまでには多くの工数があります。LPやサイトの準備ができていても、それだけでは不十分です。
広告案件の説明文の作成
まずは広告案件の説明文を考える必要があります。これは、主にアフィリエイターが見る管理画面などに表示されるものです。

自社商材やサービスを正しくPRしてもらうために、広告案件の説明文をしっかりと作り込む必要があります。
誇張表現の禁止、ソースのない情報提示の禁止など、自社内やASPで設定されている規約を遵守しながら、説明文を作成しなければいけません。
広告素材の作成
広告素材とはアフィリエイターがブログなどに掲載するアフィリエイトリンクです。具体的には、テキストリンク、バナー素材、メール素材などがあります。

テキストリンクでは、リンク先URLとリンクテキストを決めます。これはさほど難しい作業ではありません。
ただ、バナー素材を作る場合は、デザイン構想、ラフの作成、画像やロゴなどの準備、デザイン制作といった作業が必要になります。PhotoshopやCanva、Figmaなどのデザインツールを使える人材も必要です。
会社によっては承認までに複数回のチェックを行う場合もあり、このステップに長い時間を要する場合もあります。
成果計測タグの設置
アフィリエイト広告を始めるには、ASPから発行されるタグを設置する必要があります。どのサイトから誰がコンバージョンに至ったかを測るために、タグの正しい設置が必要です。タグはトラッキングタグと、コンバージョンタグの2種類があります。
タグの実装は、サーバー上のファイル(HTMLファイル等)に直接記載したり、CMSのプラグインを利用したり、Googleタグマネージャーを使ったりして行います。
管理画面やマニュアルを見れば、どこにどのようにタグを設置すればOKと書かれていますが、知識がない人には難しく感じるかもしれません。実装後は正しく動くかのテストも必要です。

規模が大きいサイトやコンバージョン地点(サンクスページなど)が別サイトに移行するケース、SNSなど他の媒体をまたいでいるケースなどは、設定も複雑となるため準備が難航します。
成果の計測がうまくできず、その修正もできないことで、そのままアフィリエイト広告を諦めて自然消滅するケースも、珍しくありません。
なお、万が一設定がうまく行かなかったとしても、実際に広告が掲載開始となるまでは費用が発生しないが一般的です。
Q)申込後、いつのタイミングから月額発生となりますか?
よくあるご質問 | アフィリエイトのA8.net
A)月額費用は、A8.netへの掲載開始から発生となります。
お申込み~ご掲載までの準備期間は月額発生いたしませんのでご安心ください。
この段階ではまだ費用が発生していないので、焦らずに正しく計測できる準備をすることを心がけましょう。
広告を出した後の運用工数が多い
アフィリエイト広告は、無事に広告を出稿できた後も、運用にあたって様々なタスクが発生します。
提携サイトのチェックと承認
広告の出稿を開始すると、徐々にアフィリエイターからの提携申請依頼が届きます。
依頼が来たらそのサイトを確認して、提携してよいかどうかを判断しなければいけません。
ASPによっては自動承認のような機能もあります。ただ、自社のブランドには合わないサイトと提携承認してしまうリスクもあるため、基本的には手動で承認するのがおすすめです。
多くの提携依頼が届く場合は、複数人で手分けして審査をすることもあるでしょう。担当者やタイミングによって審査基準が変わることがないように、あらかじめ統一の審査基準を準備しておくことも大切です。
成果のチェックと確定
アフィリエイトリンクを経由して発生した成果は、広告主が目視でチェックして、成果を承認(否認)する必要があります。アフィリエイターに対して報酬を支払うために、とても重要な作業です。
例えば、複数のアフィリエイトサイトを経由したユーザーがコンバージョンに至るケースもあります。この場合は、最後に踏まれたアフィリエイトリンクのみ成果を承認するのが一般的です。
Q)複数のASPのリンクを経由したあとで成果達成をした場合、どちらを承認にしたらいいですか?
よくある質問 | もしもアフィリエイト
A)クリックの時刻を確認頂き、より新しいクリックのASPの成果を承認することが一般的です。
また、万が一間違えて成果を承認してしまった場合でも、キャンセルはできません。一度承認した成果については、必ず報酬を支払う必要があります。
Q)アフィリエイトの成果の承認作業で誤って承認してしまいました。非承認(キャンセル)にすることはできますか?
よくあるご質問(広告主向け) | afb
A)アフィリエイトの成果の承認作業で誤って承認した場合でも成功報酬額の支払い義務が生じます。従いまして、如何なる理由でも成功報酬額の支払いを拒否することはできません。
そのため、成果承認の間違いも(社内的に)許されません。
提携サイトの審査と同様に統一的な審査基準を設けたり、ダブルチェック体制を整えたりしておく必要があります。
アフィリエイターとの交渉
大きな成果をあげているアフィリエイターなどから、特別報酬単価(通称:特単)の交渉が届くこともあります。
特別報酬とは、アフィリエイト広告において広告主からASP経由でメディア(=媒体、アフィリエイターとも)に支払われる成果報酬のうち、一部のメディアに対して通常報酬よりも上乗せした金額を支払うことを指します。「特別単価」「特単」と呼ばれることもあります。
A8.net
特別報酬は、通常報酬と同様に広告主側が自由に設定できます。
特単を設定すると、アフィリエイターのやる気UPなどでさらなる成果の増加に期待できる一方で、広告費を圧迫する要因になる点には注意が必要です。
広告効果を最大化するのが目的のはずなので、特単を設定するのかどうか、また設定するならいくらにするべきなのか、慎重に考えなければいけません。一定金額までなら、ASP側に交渉を一任する方法もあります。
質の悪い顧客が増えるリスク
アフィリエイト広告を出すと、質の悪い顧客が増えるリスクもあります。例えば、初回の高額ディスカウントやプレゼントキャンペーンなどだけを目的としたユーザーが増えるといったケースです。
そういった顧客が収益に繋がっているなら、特に問題はありません。ただ、継続性がなく自社の大きな負担になる可能性もあります。
その場合は、質の悪い顧客を集客しているアフィリエイターは報酬額を下げる、提携を解除する、成約時のユーザー向けの特典を見直すといった運用が必要です。
自社サイトとアフィリエイトサイトがSEOで競合することがある
アフィリエイト広告を出稿すると、自社のLPとアフィリエイトサイトがSEOで競合することがあります。これは、自社商材やサービスについて書いたWEBページが増えるため、ある程度仕方ないことです。
社名や品名の指名検索であっても、自社が1位を取れなくなる可能性もあります。ただ、その他自社のリソースでは補えないキーワードでもアフィリエイトサイトが記事を書いてくれるため、トータルで見ればSEOでの競合はむしろメリットです。
検索結果内で自社商材を紹介するページの専有面積が増える、ということをポジティブに捉えましょう。
いずれにせよ、アフィリエイト広告を出さなければ、自社のページだけで競合サイトと勝負しなければいけません。アフィリエイト広告の出稿により、WEB検索での露出が増える、競合他社の上位表示をけん制できるといったメリットもあるのです。
自社サイトとアフィリエイトサイトがリスティング広告で競合することがある
アフィリエイターがリスティング広告を出稿した場合には、リスティング広告での競合も発生します。そのため、クリック単価(CPC)が上がる、コンバージョン率が下がる、コンバージョン単価が上がるといった点もデメリットです。
ただ、こちらもスポンサー枠における自社商材の専有面積を広げられると考えれば、むしろメリットでしょう。自社広告とアフィリエイトサイトの広告どちらがクリックされても、自社の潜在顧客にリーチできる点は同じです。
どうしてもリスティング広告で競合したくないなら、以下のような対策も考えましょう。
- そもそもリスティング広告の出稿は禁止する
- 自社が設定しているキーワードはアフィリエイターには除外設定をしてもらう
- 自社とアフィリエイトサイトで、広告を配信する時間帯を分ける
実際に、リスティング広告の出稿を禁止(一部キーワードの禁止を含む)としている広告主はよく見ます。
PPC広告で「リスティング一部OK案件」のルールを勘違いしている人が多いですが…
— ゆう|PPCアフィリエイト (@ogihara_you) February 9, 2026
禁止されているのは、そのキーワードへの入札(広告出稿)です。
特別なルールがその案件にない限り「広告文」や「サイト」に禁止キーワードを記載してもOKです🙆♂️
※まれに禁止の記載がある案件もあるので要確認
また、私は本業で自社のサービスをOEMで扱っている企業とともにリスティング広告を出稿していますが、配信時間帯を相談して分けることで、成果の最大化を図っています。
リスティング広告で競合する場合は、アフィリエイターと協力関係を築き、最適な運用方法を見つけることが大切です。
規約違反のアフィリエイターが出てくるリスク
アフィリエイト広告を出稿すると、規約違反のアフィリエイターが出るリスクもあります。例えば自社がASPの設定で「リスティング広告禁止」や「SNS禁止」としていても、アフィリエイターが禁止行為をしてくるケースなどです。
例えばリスティング広告を禁止しているのに出稿された場合、自社のクリック単価が上がったり、コンバージョン数が減ったりすることで、広告の成果が悪くなります。
悪質な場合、広告主に気づかれないように、深夜や早朝、休日などにこっそりと広告を出す場合もあります。
こういった規約違反は、提携申請時にはなかなか気づけないものです。そのため、提携承認した後も、アフィリエイターが規約違反をしていないか、監視する必要があります。
自社商材を扱うアフィリエイターが増えるほど、規約違反の可能性も大きくなる点がデメリットです。規約違反の検知にリソースを割きたくない場合は、ADXIAなどのツールの導入なども検討しましょう。
参考:アフィリエイト広告運用の効率化を目的としたSaaS型マーケティング支援ツール「ADXIA(アドシア)」のリリースのお知らせ | PR TIMES
ブランド毀損のリスクがある
アフィリエイターによって、意図しない表現で自社商材やサービスを紹介され、ブランド毀損につながるリスクもあります。
アフィリエイト広告は成果報酬型。
— ミレニアム|マーケター×AIとキャリアを模索する人 (@shn_ridel84472) August 24, 2025
✅ コスト効率が良い
✅ ブロガーやメディアを巻き込める
一方で、誇大表現や炎上リスクもある。
管理体制を整えないとブランド毀損につながります。#アフィリエイト広告
「必ず成果が出る」といった過剰な表現が使われると、自社にクレームが入ったり、悪評を流されたりする可能性もあります。
サイトの提携時には審査を行いますが、その後アフィリエイターがどんな記事を書くかまでは、広告主側でコントロールできません。そのため、流入があったページを定期的に確認しに行くなど、チェック体制を整える必要があります。
アフィリエイト広告は、販路拡大には強いものの、ブランディングの面ではデメリットも大きいのです。
景品表示法、薬機法などの法令リスクがある
アフィリエイターが景品表示法や薬機法、ステマ規制などの法令違反をした場合、処罰の対象になるのは広告主です。
景品表示法の対象となるのは事業者だけです。
消費者庁
規制の対象となるのは、商品・サービスを供給する事業者(広告主)です。
企業から広告・宣伝の依頼を受けたインフルエンサー等の第三者は規制の対象とはなりません。
アフィリエイターの管理体制がきちんと整備されていないと、思わぬところで法令違反となるリスクもあります。




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